SCHOOLYARD校庭・園庭芝生

校庭や園庭を芝生化することは、利用する子どもたちにとって快適な環境を作り出すと同時に、ヒートアイランド現象の緩和、雨水や土砂の流出抑制効果など、グリーンインフラとしての都市機能向上に貢献するものとして注目されています。「丈夫で絨毯のようにフカフカで、グリーンインフラとしての機能を兼ね備えた芝生を都市に提供する」をコンセプトに開発された校庭・園庭芝生化技術です。

校庭・園庭を芝生化するためには

児童(園児)一人当たりの芝生面積や利用頻度など、芝生が受けるダメージや回復力のバランスを考慮した設計が必要です。基盤土壌として、芝生用耐圧基盤土壌/雨水貯留機能付植栽基盤材(グラスミックス)を使用します。締め固まりを起こさず、耐圧と根が伸長する空間を確保した工法です。

校庭・園庭芝生化のメリット

( 環境面 )
①ヒートアイランド現象の緩和

地面からの照り返しが抑制されることで、子供達の体感温度が下がります。人が感じる校庭での体感温度は (気温+地表面温度)÷2 で計算することができます。例えば、気温35℃ 地表面温度52℃ 芝生表面温度32℃ の場合では、土の校庭の体感温度は43.5℃に対し、芝生の校庭の体感温度は33.5℃です。

②降雨時の雨水流出抑制

一般的な土の校庭の場合、降雨後は地面がぬかるみ、しばらくの間使用ができません。グラスミックス工法による芝生は、雨水の保水・浸透能力が高いため降雨後すぐに使用することが可能です。

( 教育面 )
①芝生表面の衝撃緩和性による安全性の向上 ②芝生の弾力性による基礎体力の向上 ③ストレス緩和効果

芝生が健全に生育している状況をつくることで、子供達の転倒時における安全性が高まります。

芝生化することで「子供達が外遊びするようになる」「裸足で駆け回る」「活発になる」「体力測定の数値が上がった」などの報告がなされています。

芝生には生理的、心理的に落ち着く休息の場所として、ストレスの緩和効果が期待できます。

校庭・園庭芝生 設計のためのチェックポイント

①児童・園児一人あたりの芝生面積

校庭の広さ、児童・園児数から算出される一人あたりの芝生面積によって踏圧のレベルを把握し、ベストな芝生工法を選択します。

( 校庭の場合 )
児童1人当たりの
芝生面積
おすすめ芝生種類 おすすめ基盤土壌 校庭の特徴 概要
地方の学校が
多い
30㎡以上 ノシバ、
コウライ、
スポーツターフ
(WOS※無しでも可)
土壌改良だけでも可 面積:大
児童数:少
芝生へのダメージ:少

校庭が広く、児童が少ない地方の校庭によく見られる、既存土壌を改良し、ポットで植える鳥取式が多い。冬季積雪等で校庭が使用不可になる地域が多く、WOS※をしなくても芝生を維持できる。

16㎡以上 グラスミックス工法であればより良い。 面積:大~中
児童数:少~普
芝生へのダメージ:少~普

地方、郊外の学校に多い。芝生、基盤種類とも選択肢が多いが、ノシバ、コウライやWOS※なしを選択した場合は、冬季の校庭利用により、一時的な春期の養生や、部分的な芝生張替え補修が必要となることがある。

都市部の学校が
多い
15~7㎡以上 スポーツターフ
(WOS※あり)
グラスミックス工法が最適。 面積:中~少
児童数:普~多
芝生へのダメージ:普~大

都市部の学校に多い。地方の学校と比較して、1人当たりの芝生面積が狭く、芝生へのダメージが大きい。1年を通じて校庭を利用する為には、休眠している暖地型芝草を日々の利用から守る為WOS※が必須。

6㎡以下 面積:少
児童数:多
芝生へのダメージ:大

東京など人口が密集する都市部に多い。芝生としては最も過酷な環境で、素足での校庭遊びの推奨、芝生があまり生育しない時期(1~2月)での、ちょっとした工夫が必要。適切な工法選びと管理体制作りがポイントとなる。

( 園庭の場合 )
児童1人当たりの
芝生面積
おすすめ芝生種類 おすすめ基盤土壌 校庭の特徴 概要
地方の学校が
多い
15㎡以上 ノシバ、
コウライ、
スポーツターフ
(WOS※無しでも可)
土壌改良だけでも可 面積:大
児童数:少
芝生へのダメージ:少

園庭が広く、園児が少ない地方の園によく見られる、既存土壌を改良し、ポットで植える鳥取式が多い。冬季積雪等で園庭が使用不可になる地域が多く、WOS※をしなくても芝生を維持できる。

8㎡以上 グラスミックス工法であればより良い。 面積:大~中
児童数:少~普
芝生へのダメージ:少~普

地方、郊外の園に多い。芝生、基盤種類とも選択肢が多いが、ノシバ、コウライやWOS※なしを選択した場合は、冬季の園庭利用により、一時的な春期の養生や、部分的な芝生張替え補修が必要となることがある。

都市部の学校が
多い
8~5㎡以上 スポーツターフ
(WOS※あり)
グラスミックス工法が最適。 面積:中~少
児童数:普~多
芝生へのダメージ:普~大

都市部の園に多い。地方の園と比較して、1人当たりの芝生面積が狭く、芝生へのダメージが大きい。1年を通じて園庭を利用する為には、休眠している暖地型芝草を日々の利用から守る為WOS※が必須。

3~4㎡以下 面積:少
児童数:多
芝生へのダメージ:大

東京など人口が密集する都市部に多い。芝生としては最も過酷な環境で、素足での園庭遊びの推奨、芝生があまり生育しない時期(1~2月)での、ちょっとした工夫が必要。適切な工法選びと管理体制作りがポイントとなる。

WOSとはウィンターオーバーシーディングの略称。暖地型芝草の冬期休眠を保護するため、冬に緑色生育する寒地型芝草を播種する方法や作業のことです。播種は主に9月〜10月に行い、ペレニアルライグラスなどを主に使います。詳しくは、よくあるご質問をご覧ください。

②日照時間

芝生の成長には日照が不可欠です。春分・秋分頃の南中の太陽高度は約55度、遮光物の高さと同じ長さの影を延ばします。特に、南・西側の樹木、建物には注意が必要です。外周部も木陰と雨だれを考慮します。

③導線、歩行路の確保

芝生化は、全体面積の70~80%程度に抑えることが望ましいと言えます。特にWOS)を行う場合では秋季に約1ヶ月の養生期間が発生します。万一、芝生に入れなくなったときに利用できる場所を確保しておくことも大切です。
芝生レイアウトパターンシート

④遊具周りを避ける

遊具の周りは過度の踏圧で芝生が禿げ、基盤が掘れてしまいます、そうした場所では保護材を利用するか、人工芝にすることをお勧めします。

⑤排水手段の確認、検討

芝生の表面を流れる雨水、浸透する雨水がどこに集まるか、考慮が必要です。日々の利用に耐えられる強い芝生を生育させるためには、スプリンクラーでの定期的な散水をお勧めします。特に外周部を芝生化する場合は注意が必要です。 芝生レイアウトパターンシート

⑥助成金制度の確認

地域によっては、芝生化を行う際に利用できる助成金制度が整備されていることがあります。

⑦年間管理計画

芝生を健全に維持していくためには、年間を通した管理計画が必須です。誰が中心となってどのように管理していくか、事前に検討をしておくことが大切です。遊ぶ、運動する、3~4㎡/人以上の校庭を想定し、その芝生化を対象にした管理作業の目安を示しています。(状況に応じて変動あり)。東邦レオの管理サポートでは年6~8回の生育診断を行い、芝生の状況を確認し、病害虫の発生、灌水頻度、芝草の刈高、芝生の管理作業について適切なアドバイス、指導を行っています。

施工の流れ

①標準工法:グラスミックス(厚さ150mm) + 暗渠排水

②屋上及び人工地盤工法:グラスミックス(厚さ200mm) + 貯排水パネル

計画の際の注意点
  • 臨時駐車場として利用される場合は砕石層150mmの厚さを確保してください。
  • 暗渠排水管や勾配を取るなど路盤排水性を必ず確保してください。
  • 芝生の十分な生育のため、適期での芝張りおよび養生期間を十分に確保してください。